50から筋トレやってみた

みずからの体験に基づき、筋トレ、ダイエット、自転車、本をゆるく書きます。

水飲める?

水飲める?

5月中旬に交通事故にあい、救急車で運ばれ、入院、左手足まひ、からリハビリで回復、の様子を記事にしています。
結構長い。まだ入院して3日目の話だ。
 
リハビリが始まる、入院して3日ほどたったころ。
少しづつ喋れるようになってきた。
 

運ばれて来た時からずっと点滴で何も口にしていない。

 
看護師が吸い飲みと言われる、プラスチック製の、水を飲む道具を持ってきた。
これで水を飲んでみろという。
 
「水を飲む?
普通にできるに決まってんだろ?
変なこと言うなあ。」
 
そう思いながら水を飲み込もうとしたとたん、
 
ゲホゲホッとむせた。
 
看護師は、やっぱりね、という顔をしている。
 

嚥下障害とは?

私の場合、顔の下半分くらいが麻痺していて、飲み込む、嚥下、という動作も麻痺のため、できなくなっていたのだった。
嚥下障害、と言うものだ。
 
その頃喋れるようにはなったが、口の左半分はまだ、「イーッ」ができなくなっていた。
 
まさか水が飲めないなんて。
 
次の日もやはりむせた。
 
その次の日は口の麻痺が減ったので、慎重に飲んでみたら、できた!水が飲めた!
 

嚥下食?

水が飲める、ということで、点滴をやめ、スープのような嚥下食、と言うものを食べられる(飲む?)ようになった。
嚥下食、は普通の食事の味がするが、全部スープ、ペーストのような形状をしている。
さばの味噌煮の嚥下食とかだと味が本物の料理の味だが、形がスープ、のような不思議な料理だ。
結構おいしいので、病院食は進化している、と思った。
カレーは飲み物、と思ってかきこんで食べていた私には好都合な食べ物だ。
(大好きな玄米とかはちゃんとかんでますよ、かたいんで)
 
飲み込むときにむせたかどうか、毎日看護師さんのチェックが入った。
飲み込むことができるようになってからは、慎重に飲むようにしたので、その後むせることはなかった。
嚥下食がトラブルなく食べられると、医師の許可が出て少し食べ物の形をした柔らかい軟采、を食べる。
このように一歩一歩段階をあげていく。なので課題をクリアできないと、次に進めない。これまでと違って、とても慎重に飲みむようにした。
私は嚥下で失敗しない程度に早い段階で麻痺から回復したが、後に転院した、リハビリ専門の施設では、嚥下の指導をしてくれる人がいることを知った。
 
どこまでどのくらいの期間で回復できるのか、医師も自分もわからないので、毎日の目の前の課題をクリアするのに必死だった。
 
ただ、1日の終わりに、一人で病室で食べていると、フツーに家族が集まって食べる記憶がよみがえる。家族で食べる料理は、どんな料理でもおいしいものだな、と思った。
パートナーはほぼ毎日保険やら病院やらの手続きの話をするため病室に来てくれたけど。私は手足がまひした入院患者で、リハビリは始まったが、立って歩けないので、いつ出れるのかわからない。家族のだんらんなどとは縁遠い状態だった。