50から筋トレやってみた

みずからの体験に基づき、筋トレ、ダイエット、自転車、本をゆるく書きます。

復職できる、かな?

5月中旬に交通事故にあい、救急車で運ばれ、入院、左手足まひ、からリハビリで回復、復職、の様子を記事にしています。
やっと一人で立って歩けるようになったが、スパルタ(?)のリハビリ専門施設への転院と、もしかしたら「高次脳機能障害」があるかもしれない、というのが今までの記事です。
 
今回は高次脳機能障害、私がどうだったか、の話。
高次脳機能障害とは、私のような交通事故での脳外傷などにより、キレやすくなったり、注意力がつづかなくなったり、と外見からはわからない、「高次」の脳機能障害のことです。
高次脳機能障害がある、となると、元の職場への復職どころか、仕事自体ができなくなったりします。
 

リハビリ専門施設に転院、心理テスト?

6月初旬に、リハビリ専門の施設に転院できた。救急車で運ばれた最初の入院先では、高次脳機能の検査は簡単なものだった。ここで臨床心理士による「神経心理学的検査」を受けることで、脳の画像だけで判断できない認知機能の評価をすることになる。
 
最初に担当医との面談で、「hyoga67さん、心理テストやります、XXXX」と予定を説明される。
「へ?心理テスト?
食べるもので一目惚れレベルがわかる、
とかそんな感じ?」
と思ってしまった。
まったく私の勘違いで、要は知能テストを網羅的にやって、評価します、ということだった。この知能テスト、が評価の説明含め、3週間ほどかかった。評価を聞くまではどきどきでした。
よう知らんけど、やった内容は「ウエクスラー式知能検査」とか、「ウィスコンシンカードソーティングテスト」とか他にもいろいろあったみたい。記憶、注意、遂行機能、知的機能の検査らしい。担当医は「心理テスト」と呼んでいた。

高次脳機能の障害はある?

最初の病院に入院中、高次脳機能に関して、ひとつだけ気になっていることがあった。
看護師さんの担当が毎日変わり、名札を見せながら挨拶してくれるのだが、
事故前と同じ感覚で、名前が覚えられない気がする。
この時期にやった高次脳機能の検査も暗算でひとつあからさまに間違った。
ついでに県知事の名前が答えられなかった(これは重要なのかな?)。
 
脳、ぶつけてダメになったんかい?
 
やはり元の仕事には戻れないのか?

 

睡眠不足で酔っ払いと同じに?

記憶に関して、入院直後は不安があったが、転院するころは回復した。
原因を推測すると、最初に入った救急病棟で眠れなかったことでは、と思っている。
 
最初は救急病棟に入って危なくないか、経過を見る。
容態が急に悪化する場合があるからだ。
なので私のベッドまで夜看護師さんが1時間おきにチェックしにくる。懐中電灯を私の顔に当てて大丈夫か見る。手厚いチェック体制で安心だが、その度に目が覚める。
さらに救急病棟は24時間稼働している。救急の患者さんがきても、対応する必要がある。私も救急車で運ばれてから、迅速な医師たちの懸命な対応で適切な判断をしてもらった。24時間救急患者を受け入れている施設なので、何かの警告音が常に鳴っている
さらに何故か一晩中叫んでいる患者さんが日替わりでいらっしゃる。
その方々には悪気はないだろうし、そうせざる得なかったのだろう。
同じ病棟内なのでお互い様である。私自身も集中治療室から救急病棟に移ったのは夜の0時近くになっていた。しかし夜中に叫ばれてると目がさめる。
さらに個室ではないので、音は筒抜けとなる。何故かその時の救急病棟にいた方々は、いびきの大合唱がすごかった。
事故後はアタマを打っているので、1ヶ月くらい頭痛がひどかったのも災いした。頭痛薬はなぜか全く効かなかった
10段階で痛みを答えろ、というルールがあり、私はいつも8くらいの痛みと答えていた。しかし痛みは一か月くらいで収まっていった。
 
元々環境が変わると眠れなかったりする私は、睡眠不足になったのだった。
 一般病棟に移ったら、夜はそれまでより寝れるようになり、記憶もマシになった。
アメリカの大学の研究で、
6時間睡眠を2週間つづけると、酒に酔っているのと同じような状態になる、という記事を見たことを、思い出した。
 

心理テスト結果は?

さまざまな心理テストを2週間かけてやって、3週目にフィードバックを受けた。
担当の臨床心理士の方から開口一番
「大学院卒なのですか?」
と聞かれる。はあ、違いますが…。
何のことかと思ったら、テストの結果が平均値以上で良かったのでそうではないかと思った、とのこと。
テストの結果はもらえないらしい。なんか120、とか130とかいう数字が見えた。そういえば、作業療法でも似たような検査をやった時、「かなり速いタイムなので、新記録かも」とか言われたことがあったっけ。
 
でもなんか事故前の方がもうちょっとよかった気が…。
 
そこは臨床心理士の方が、
「事故前の検査はやっていないので、ご本人としては、下がっている、かもしれませんが、病院でできる検査としては、平均以上となり、問題なし、となります。」
と説明してくれた。
担当の作業療法士の方ともいろいろ高次脳機能について会話したが、
「ここで確認できる範囲では、問題なし。
後は実際の職場でやっていくしかない。
問題があれば、相談窓口があるから」と回答してくれた。
 
この時点でようやく、復職できるかもしれない、と感じた。
病院の検査と実際の仕事は違うが、仕事に戻れる可能性が上がった、ということだ。
 
 

キレやすい?

高次脳機能障害になると、キレやすくなったり、ささいなことで感動したりすることがある。

5月末、転院前後でお金のことで、パートナーと口論のようになってしまった。

パートナーに謝った後、おそるおそる「事故の後でキレやすくなってるかな?」

と確認してみた。すると…、「事故前と変わらない、いつも通り」とのこと。ほっとするべきか、反省すべきか…。

いや反省でしょう。

 

運動は脳にいい!

6月末に退院し、7月中旬まで自宅療養となった。退院後に担当医から言われたのが、
有酸素運動は脳にいい、
 体にもいい、全人類に必要です!」
ということだった。
 
この本を読んでから、ヒトはマシーンじゃなく、動物で、運動が大事なんだ、とおもっていたが、脳外傷になってからも、改めて、同じ答えにたどりついた気がする。
 

 

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gym-kintore.hatenablog.com

 

 
高次脳機能障害の本を図書館から借りて何冊も読んだが、
「運動は体にいい、体にいいことは脳にもいい」
と書かれていた。リハビリで有酸素運動をするようにとも。
 
私自身事故前に比較すると、わずかだが、疲れやすかったりする。医師や本の案内に従って、有酸素運動を続けている。
主にジムのエアロバイクですが、車とぶつからないので。
 

産業医と面談、復職へ

7月中旬、元の職場の産業医を面談し、復職となった。
その経緯は過去の記事にあります。
 
 

多くの人に支えられてきました

復職するまで多くの方々に支えられてきました。
大変感謝しています。
 
運んでくれた救急隊員の方々。
脳外傷で判断が難しいところ、受け入れてくれ、脳の画像を短時間に複数名で見てくれた病院の担当医の方々。
救急病棟で動けない私を、明るく、馬鹿話をしながら励ましてくれた看護師やスタッフの方々。
手足が動かず、ヤケになっていた私のリハビリを担当された作業療法士の方。
転院先を調整してくれたソーシャルワーカーの方。
転院先のリハビリ施設のスタッフ、作業療法士理学療法士言語聴覚士臨床心理士、担当医、検査技師…。
「早く戻って来い」と言い続けてくれた職場の方々…。
事故後のショックでずっと号泣していたが、泣きながらも必要なことに対応してくれたパートナー…。(後で聞いたら「火事場の馬鹿力でなんとかした」とのこと)
数えると本当にきりが無い…。
 
交通事故にあって多くの人を悲しませてしまったけれど、たまたま助かって、多くの人の支えで元の生活に戻ることができた。
今は自分は、
「命ほど大事なものはない」
「身体が動くことはありがたい」
「今の自分は多くの人の支えがあるからだ」
と思います。
 
長文で自分のことばかりでしが、最後まで読んでくれ、ありがとうございます。